2009年12月31日木曜日

2009年お勧めの本

2009年度も大修館書店『英語教育増刊号』に「年間書評: 厳選12冊」を書かせていただきました。以下の本は、そこで取り上げながらこのブログでは紹介しておらず、紹介しないままに2009年を終えたくない本です。本の基本情報と上述書評の私の一部を掲載し、紹介に代えさせていただきます。詳しくは『英語教育増刊号』をお読み下さい。


■ 松村昌紀『英語教育を知る58の鍵』大修館書店

英語教育を考えるための、基礎的な知識と観点に関する最新の知見が、わかりやすく、幅広く学べ、しかも低価格という良書。・・・学部生・大学院生から現役教師まで、この本で示された知見によって、英語教育実践をこれまでよりも多角的に、より細かく、より深く理解することができる。



■ 江利川春雄『日本人は英語をどう学んできたか』研究社

学術性と読みやすさを両立させ、かつユーモアにあふれた文章を書くことは、困難だが可能である。江川氏のこの本は、鋭敏な理論的問題意識に基づき、歴史的証拠を具体的に示しながら、日本人が英語をどのように学び、さらには近代日本の社会文化をどう形成したかを明らかにする。


■ 大塚謙二『成功する英語授業! 50の活動&お助けプリント』明治図書

本書は、中学英語教師にとって、かけがえのない実践の枠組み、そして実際的な支援の道具となるだろう。著者の大塚氏は、北海道で公立中学教師となるも、「最初の10年間は、困難校で苦労し、毎朝新聞の転職欄をながめる日々」だったという。



■ 瀧沢広人『生徒をひきつける授業の入り方・アイデア事典 』明治図書

新人教師が授業に悩む時、私は瀧沢氏の著作を薦めることが多い。瀧沢氏の著作は豊富な具体例を提示して、かつそれらの事例を通して読者に考えさせる。



■ 金谷憲(編著)『教科書だけで大学入試は突破できる』大修館書店

本書は「入試を気分的にのみとらえるのではなく、ちゃんと分析して、冷静に対策を立てるようにしよう」、「入試を言い訳に使うのはよそう」と訴える。そうして大学入試を文法、語彙、分量の観点からできるだけ客観的に分析しようとする。



■ 大井恭子編著、田畑光義・松井孝志著『パラグラフ・ライティング指導入門』大修館書店

この本は、パラグラフ・ライティングの指導が中学校一年生から始まることを具体的に示し、中学校・高校の各段階、諸側面におけるライティング指導例を明確にそして丁寧に提示している。さらに指導以前に必要となる教師自身のパラグラフ・ライティング理解を深めるために、ライティングの理論を極めて明解に説明している。




2010年も英語教育で良書が生まれますように。





【広告】 吉田達弘・玉井健・横溝紳一郎・今井裕之・柳瀬陽介編 (2009) 『リフレクティブな英語教育をめざして ― 教師の語りが拓く授業研究』 ひつじ書房、買ってね (笑)






0 件のコメント: