2010年4月26日月曜日

字幕付きの無料動画で楽しく英語を学ぼう!

■ Google Readerで"Lifehacker"の購読を

"Life hack"をキーワードにするといろいろ有益な情報が手に入りますが、以下はブログ"Lifehacker(日本版)"の2010/04/10の記事内容を、私なりに大学新入生のために編集し加筆したものです。


皆さんも、
"Lifehacker(日本版)"

"Lifehacker"

をぜひGoogle Readerでご購読ください。自動的にどんどん有益な情報がたまってゆきます。



■ 字幕付きの無料動画で英語を学ぶ

さてご紹介したい内容は、字幕付きの無料動画で英語を学ぶということです。
"Lifehacker"が紹介しているのは、(1) YouTubeを使う方法、 (2) TED (Technology, Entertainment, Design)を使う方法です。


■ YouTubeで検索してClosed captionsを選ぶ

最近のYouTubeには、信頼できる団体が公式に高品質であげた動画がたくさんありますから、娯楽だけでなく知的目的にも大いに活用できます。

(1) YouTubeをブラウザのブックマークに登録しておく(ブラウザはGoogle Chromeをお薦めします。ついでにある程度Chromeの操作に慣れたら、Chromeの操作言語も英語にしておくと操作だけで英語の勉強になります)。

(2) YouTubeを開いたら、最上部の検索窓に自分が興味ある単語を入力する(※ただしアルファベットで入力すること! 検索語を日本語ではなく英語にするだけで得られる情報の量と質は劇的に向上します)

(3) 検索結果が出てきたら、検索窓のすぐ下にあるSearch optionsをクリックし、その中のFeaturesのClosed captionsをクリックする。

(4) 動画の制作者が自ら字幕を添えた動画の検索結果が出てくるので、それを見ながら英語のリスニング力を少しずつ上げてゆく。

例として、上記の"Lifehacker"も推薦している、NASA によるEinstein's Cosmic Speed Limitを見てみましょう。








■ TED (Technology, Entertainment, Design)の字幕付き動画を見る

TEDとは、Technology, Entertainment, Designなどに関する優れた講演を無料公開する団体です。

TED: Ideas Worth Spreading

ここが公開している動画の多くには、Open Interactive Transcript が設置されています(動画の右側)。

そこをクリックすれば動画で話されている言語がテキストで表記されます。

さらにテキスト部分をクリックすれば、そこに相当する動画が再生できるという特徴ももっています。

例として、James Watson on how he discovered DNAを見てみましょう。



※Open Interactive Transcriptを見たかったら、
に行ってください。



■ 自分にとって有益な情報が自動的に集まるシステムを作っておく

YouTubeはブックマークするだけでなく、自分専用のチャンネル(My Channel)を登録しておくと、お気に入りのYouTubeチャンネルをsubscribeすることができます。(登録はGoogleアカウントを持っていればできます)。

My Channelにsubscriptionsが登録されたら、YouTubeはメールで定期的にあなたのsubscriptionsの新着情報を教えてくれます。あなたは特にネットサーフィンをしなくても、あなたが欲しい(と思われる)情報が次々に入ってきます。

Subscriptionsを選ぶ場合は、ぜひHigh Definition (HD)を持っている大きな団体の公式チャンネルを選ぶと、質の高い動画が得られることが多いです。

また好きなチャンネルを先ほども述べたGoogle Readerに登録しておけば、Gmail画面からReaderをクリックするだけで、新着情報が一覧できます。TEDもGoogle Readerに登録しておくといいでしょう。

Google Readerを上手に使うコツは、ブラウザ(Chrome)にGoogle Reader用の拡張機能を組み込むことです。

Google Chrome Extensionsで検索して、Google Reader用の拡張機能を組み込んで下さい。ちなみに私は他にEvernoteとDeliciousの拡張機能を組み込んでいますが、これらは本当に便利です。


ちなみにPCのPは"Personal"でしたよね。あなたは自分のPCを"personalize"していますか?

パソコンで「ツール」とか「オプション」とか「設定」とかを見かけたら、取りあえずいじくってみて下さい。また絶えず右クリックを取りあえずしてみる習慣をつけておくと、思わぬ便利な機能に出会えます。パソコンは徹底的にいじくりまわして自分が使いやすいようにしてください



■ 英語は勉強するものではなく、使うもの。使いながら学ぶもの。

このようにウェブ環境を少しだけ整えて、検索語を英語にするだけで、現代はどんどん自分で英語の勉強ができます。近い将来、全世界で「ある程度英語ができる」ことはどんどん当たり前になってゆくでしょう。

この際にきちんと理解していただきたいのは、これからますます重要になるのは、高度な知性を行使するための英語力だということです。

ですから「英語を勉強するため」というより、「自分の知的世界を広く深くするため」にここで紹介したような方法で英語を使って下さい。

「英語の勉強」という感覚から早く脱して、「英語を使う」感覚を得て下さい。使っていれば否応なく英語は学べます。英語使用と英語学習の連動サイクルを早く自分の中に作り出して下さい。


■ 大切なのは生きた教養

もう一つ述べておきたいのは、これだけの情報洪水を前にすると、生きた教養を持っていない人は、ただ呆然と立ちつくしてしまうだけということです。

「英語で検索してみましょう」と言われても、そもそも知的好奇心を持っていない人、基礎的な語彙を日本語ですら持っていない人、何かわからない世界から自分がわかる世界を切り拓いてゆこうという意欲を持たない人、「これがあるということはあれもあるということだろうか」と次々に連想・想像してゆく力を持たない人は、せっかくのウェブ知識空間を少しも活用できず、ますます自分に対して嫌気がさしてゆきます。

「英語はできるようになろう」と思ったら、遠回りにみえても、最初はしっかりと日本語で読書して下さい。みずみずしい感性と嬉々とした意欲に充ちた生きた教養こそは、これからの高度知識社会でもっとも重要なものだと私は考えます。

生きた教養を体得することは、誰に教え込まれるものでもありません。また短期間で可能になることでもありません。それだけに自由な時間がある学生時代に、自ら生きた教養を身につけて下さい。

教養こそは生きる力と私は信じています。


追記 (2010/05/31)

トランスクリプト付きの時事ニュース
CNN Student NewsのShows and Transcriptsにはトランスクリプト(英語本文)がついていますから、英語の自学自習には便利です。うまく活用してください。


トランスクリプト付きの科学ニュース
学術誌Scienceはトランスクリプト付きのポッドキャストを提供しています。理系・文系を問わずぜひご活用を!




関連記事
ウェブで英語を自学自習し、豊かな文化社会を創り上げよう
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.html








【個人的主張】私は便利な次のサービスがもっと普及することを願っています。Questia, OpenOffice.org, Evernote, Chrome, Gmail, DropBox, NoEditor



4 件のコメント:

tmrowing さんのコメント...

TEDのサイトは、まず、自分の英語のトレーニングと情報収集を兼ねて使っています。TEDの日本サイトも有るのですが、Interactive Transcriptはまだ使えないようで、翻訳で日本語も対応してくれると、授業での使い勝手もよくなると思います。広く英語教育界でも使われて、実践を共有できればと思っています。
拙い実践例は、こちら
→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20090901

柳瀬陽介 さんのコメント...

tmrowingさん、
コメントならびにURLをありがとうございます。
おっしゃるように実践を共有できればいいですね。一人の力ではやれることは限られていますが、共同でやればなんとかいい共同体ができるかもしれませんね。
私としては取り敢えず、自分が知った重要な情報はできるだけウェブ公開するようにしています。
これからもどうぞよろしくお願いします。

印南洋 さんのコメント...

記事の中で

「■ YouTubeで検索してClosed captionsを選ぶ」

は知らなかったことなので、特に参考になりました。明日の授業で早速学生に紹介します。

柳瀬陽介 さんのコメント...

印南先生、
コメントありがとうございます。

こういった知識系の動画でしたら、専門の勉強をしっかりしている理系の大学生の方が喜んでくれるかもしれませんね。

YouTubeにはTranscribe Audioで、自動機械音声認識・文字化のサービスがありますが、まだ実験段階ですので、学習者に見せるとかえって混乱するかと思います。

しかし近い将来にこのテクノロジーも確実に向上するかと思います。

英語教育は根本的に変わらざるを得ないというのが、私が何度も強調しているところです。