2010年8月30日月曜日

達セミ15周年おめでとうございます

8月28日に達セミ(英語教育達人セミナー)の15周年パーティが開催されました。私は衛生管理者講習会に出なければならなかったのでパーティは欠席しましたが、お祝いの言葉だけは送らせていただきました。

ここにそのメッセージを掲げ、改めてお祝い申し上げます。


達セミと日本の英語教育
柳瀬陽介(広島大学)
達セミを語らずして、現代の日本の英語教育を語ることはできない。
私は格闘技ファンなので格闘技のたとえを使う。
大山倍達という空手家がいた。極真空手の初代総裁である。戦後日本の格闘界を考えた際、空手はもとより、打撃系格闘技、立ち技系格闘技の選手を見ていると、驚くほど多くの人が大山倍達の直接の弟子・孫弟子だったり、分派した筋の弟子だったり、間接的に影響を受けた人あるいはその弟子だったりする。
大山倍達が行ったことは伝統空手の枠をやぶったことだ。今、私達が当たり前のように思っている直接打撃制、上段回し蹴り、下段回し蹴り、ウェイトトレーニング、オープントーナメントなども、大山倍達が先陣を切って日本の格闘界にもたらしたものだ。大山倍達の革新がなければ現在の日本の格闘界はない。大山倍達を慕う人間が多くあってこその日本の格闘界である。
谷口幸夫先生と達セミも、大山倍達と極真空手にたとえることができると私は思っている。今、活躍している英語教師を思い出して欲しい。この人とこの人は現在も達セミで講師をやっているからもちろん、あの人もあの人もそういえば元々は達セミ出身だ、あの人とあの人のつながりも元々は達セミだと、いかに達セミ出身が多いかすぐに気づくだろう。
谷口先生が行なったことは、英語教師の学びの枠をやぶったことだ。日本的な人脈、学校脈・学閥、地域性を飛び越え、全国で英語教師の出会いを促進し続けた。埋れていた多くの逸材を掘り起こした。その逸材に刺激を得て、多くの人が英語教師として学び始め、彼・彼女自身逸材となった。逸材と逸材が相互に刺激を与え合い、英語教育実践共同体が生まれた。それは開かれた共同体であり、さまざまな人々を、それぞれの形で結びつけている。
この英語教育実践共同体 ―何の後ろ盾もなく、達セミが築いた縁だけでつながっている英語教師たち― を抜きにして現代日本の英語教育は語れない。想像してほしい。これらの英語教師がいない日本の英語教育界を。それはずいぶんと寂しく、活気を欠いた世界であろう。日本の英語教育実践の活力の多くは達セミに由来している。
達セミのつながりが日本の英語教育実践を切り開いた。さまざまな人々が現れ、つながった。そこに一貫しているのが谷口先生である。毎週のように全国をまわる谷口先生である。
これを15年間続けたこと。これほどの偉業があろうか。谷口先生、本当にありがとうございます。達セミ15周年を心からお祝い申し上げます。










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