2011年5月5日木曜日

日本再生は「現場」の人間がやる。日本の「偉い人」をこれ以上のさばらせない。(その4:「偉い人」のコミュニケーションと、「現場」の人のコミュニケーションの比較)





この記事は、その1その2その3の続きです。







ここでは「偉い人」のコミュニケーションと、「現場」の人のコミュニケーションの様子を実際の画像を見ながら皆さんに考えていただきたく思います。

「偉い人」のコミュニケーションの例として、福島の住民に対する文部科学省の会見二つと、政府が外国人記者に向けて英語で開いた会見の一つをあげます。

「現場」の人のコミュニケーションの例として、消防庁ハイパーレスキュー隊の記者会見とフリージャーナリストの上杉隆氏の会見をあげます。


私としては、これらの画像から


(1) 話す際の表情や視線といった、非言語的なコミュニケーション

(2) 話の際の言語選択の明確さ(あるいはその逆のもってまわった言い方)



に注目していただけたらと思います。


(1)の非言語的コミュニケーションについては、何ら恥ずべきこと・隠すことを持っていない人は、正々堂々と語ると私は考えます(もちろん天才的な詐欺師といった極端な例はここでは除外して考えます)。

(2)の言語コミュニケーションについては、自らの仕事に誇りをもってそれを熱心に遂行している人は、明確によどみなく語ります(それは自らの仕事に後ろめたさを感じている人が、流暢に言葉を連ねて大切な論点をごまかす語り方とは似て非なるものです)。


どうぞご自分でご判断ください。どの動画も最後まで見ることを強くお勧めします。


なお公正を期すために申しますと、私の基本的考えは、これまでの記事から明らかなように、日本の「偉い人」は無能で傲岸であることが多いというものです。

そのような基本的考えをもちながら、下記のような画像を紹介するのは、そこで登場する人に対して「かわいそう」なことではないかという批判もあるかもしれません。

しかし、私は今回のような事態では公人として重要な仕事をしたのであり、そのような画像はきちんと同時中継もされたのですから、公開されても仕方がないのではないかと思います。

また、私は以下に出てくる文部科学省官僚を個人的に非難するつもりはありません。その3の記事でも説明しましたように、このようなコミュニケーションは、長年の日本の組織文化が構造的に生み出すものであり、誰が出てもこのようなコミュニケーションしかできないのが日本の「偉い人」の組織だと考えます。もし私が(ありえないことですが)文部科学省官僚としてこのような席に立っても、私は同じように苦し紛れの発言を繰り返すか、感情的に取り乱して落涙などして更迭されるぐらいでしょう。



それではどうぞ、くどいようですが、ぜひご自身の目で最後まで見て、今後の日本のコミュニケーションのあり方についてお考えください。


言うまでもなく、英語教育も、その目的は入試や資格試験での高得点ではなく、究極的にはコミュニケーションにより社会生活を営むことです(そうでしたよね、文部科学省様? ←すみません。皮肉です。)

今あわててチェックしましたら、学習指導要領は「国語」と「外国語」の目標を次のように定めていました。


中学校国語

国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力を養い言語感覚を豊かにし,国語に対する認識を深め国語を尊重する態度を育てる。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/koku.htm


中学校外国語

外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/gai.htm


仮に言語教育の目標を上記のように理解するにせよ、以下のコミュニケーションの中で、誰がこの目標に近いコミュニケーションを行い、誰がこの目標を裏切るようなコミュニケーションをしているでしょうか。どうぞご観察ください。





■文部科学省会見

2011年4月21日








Video streaming by Ustream
http://www.ustream.tv/recorded/14169488


2011年5月2日








Video streaming by Ustream
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1032





■外国人記者向け政府記者会見(英語)

2011年4月25日

※残念ながら、現在はダイジェスト版しか残っていません。状況をより理解するために以下の参考記事をお読みください。

発音・文法ともに問題のない英語で語る日本の官僚。しかし、記者会見場に外国人記者は一人もいない。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/04/blog-post_26.html






■東京ハイパーレスキュー隊記者会見

2011年3月19日(前半)


http://www.youtube.com/watch?v=75xFm5mwCZA&list=PL8FD37CE6E4497EB8

2011年3月19日(後半)


http://www.youtube.com/watch?v=ZT28xIGzfHw&feature=related

※富岡豊彦隊長の10秒間の沈黙(おそらくは涙)の背後には、このシリーズのその1で紹介したような背景があったことはご理解ください。





■フリージャーナリスト・上杉隆氏の、鳩山前首相勉強会での発言

2011年4月6日

110406鳩山勉強会・上杉隆氏講演01 from iwakamiyasumi on Vimeo.



この会見の書き起こしは、http://www.webdice.jp/dice/detail/3044/にあります。重要な内容ですから、ぜひお読みいただけたらと思います。やはり日本の「記者クラブ」は政官財に対して甘すぎるということがわかります。









この記事はその5に続きます。






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