2011年9月24日土曜日

英語教師のためのコンピュータ入門 (2011年度)



以下は柳瀬の授業(「英語教師のためのコンピュータ入門」)の受講者のためのページです。授業の資料は著作権などに抵触しない限り、できるだけここに掲載します。


「コンピュータを学ぶ」から「コンピュータで学ぶ」へ
「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」へ
そして「コンピュータと英語で学ぶ」へ


Computer for Communication and Community


"The only person who is educated is the one who has learned how to learn and change."
Carl Rogers


"You are not bored. You are just boring."

子曰、知之者、不如好之者。好之者、不如樂之者。 『論語』雍也第六 140

***

2011年度
英語教師のためのコンピュータ入門

1年生: 水曜7-8限 K208教室
担当:柳瀬陽介
yosuke@hiroshima-u.ac.jp


■授業で使う主なホームページ

・柳瀬ブログのこのページ(教材提示用)
ラベル「授業」に掲載

なおラベルの「教育」と「ICT」には、皆さんにとって
特に有益だと思う記事を掲載しているつもりですので、
よかったら時折参照して下さい。


・広島大学WebCT(コミュニケーション用)
情報メディア教育研究センターのページ右の「WebCT]アイコンをクリック

主に使うのはDiscussionsとAssignmentsです。

なお授業音声の録音もWebCTに掲載しますので、
欠席した場合や、授業の復習をきちんとしたい場合に
音声ファイルをダウンロードして勉強して下さい。



■この授業の目的

(1) 現代社会におけるコンピュータ文化の重要性を理解する

(2) コンピュータについて自分で学べるようになるための基礎知識と検索技術を習得する。

(3) ウェブ上の有益な英語情報を活用できるようになる。

(4) 統計量統計に関する基礎的理解に基づいてエクセルを使いこなせるようになる。

(5) 音声・画像関係のソフト等が使いこなせるようになる。

(6) タイピング技術に習熟する。



■助言

(1)コンピュータを怖れないでください。コンピュータはあなたを助ける道具なのですから。

(2) まずは基礎的な原理と構造を理解してください。あとは操作の中から手があなたに知恵を与えてくれます。

(3)うまく動かない時にはどうぞ焦らないで。パニックになったりイライラしないで、試行錯誤したり検索したり人に尋ねたりしてください。

(4)すべてを理解しようとしないでもいいです。使っているうちに、少しずつわかったり発見したりしてゆくものですから。「とりあえず使える」状態になればあとは雪だるま式に習熟できます。

(5)授業外でのコンピュータ使用を前提としています。授業時間だけのコンピュータ使用では習熟できませんから、空き時間を使ってどんどんコンピュータを使って慣れてください。

(6)でもどうしても慣れないなら使いやすい参考書を本屋で見つけて買ってください。私も何度も経験しましたが、自分に合った参考書は多くの時間を節約してくれます。2000円以下で多くの時間が買えるのですから、これはいい投資です。

(7)特に単純作業をやったりしているときは、自分の注意資源の数パーセントを常に「どうしたらこの作業をより効率的に行えるだろうか」という問いに向けてください。コンピュータには便利な小技がたくさん隠されています。右クリックはしばしば行い、「ツール」「オプション」などはどんどん変更して、あなたのコンピュータを"personal"なものにしてください。

(8)授業への要望などは積極的に知らせてください。お互いのコミュニケーションを密にすることでよい授業を創り上げてゆこうと思っています。


参考: パソコンの基本的な操作法にゆっくり習熟したい人は下記の講座などの良心的なものを受講してみてはいかがでしょうか。

広島大学生協 パソコン総合サポート(略称PCSS)



■評価

(1) 参加(出席、およびWebCTでの授業の振り返り提出)⇒30%

(2) 英語課題(指定課題。特に指定がない場合は、毎週一つ面白い英語記事を見つけ、その面白さを説明) ⇒30%

(3) 統計レポート (詳細は後日。締切は授業最終日) ⇒30%

(4) タイピングと検索技術のテスト⇒ 10%

(5) 任意課題。(5a)か(5b)のどちらか⇒AをSに、BをAに、CをBにする。ただしDをCにすることはしない。

(5a)本を読んで書評。本の読みどころを見出して、それを的確に説明する。6000字以上のもののみを受け付ける。

(5b)なにか知的に面白いことWeb活動を開始し、最低一ヶ月以上継続する。

詳しくは、S(秀)判定に関する下の記事を読んでください。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/blog-post_08.html



■テキスト

相沢裕介(2010)『統計処理に使うExcel2010活用法―データ分析に使えるExcel実践テクニック 』 カットシステム(買わなくても授業にはついてはいけますが、買った方が便利です。購入の判断は自分で行なって下さい。私の方から一括注文をしたりすることはしません)



■必要なもの

・学生証(K208教室でのコンピュータ使用のため)

・USBフラッシュメモリ(1G以上が適当)。ただしDropboxなどのオンラインストレージを使うなら不要。



■遅刻・欠席・参加に関する方針

・遅刻は認めません。最初の点呼の時にいなかったら欠席扱いにします。欠席3回以上で、評価を一段階下げます。欠席5回以上は単位認定をしないことを原則とします。やむを得ない理由があった場合は申し出てください。

・私語や居眠りなどは許しません。注意しても止めないようでしたら教室から出ていってもらいます。楽しい学習環境を保つために、最低限のケジメだけはつけます。



■課題提出の仕方

WebCTシステムで提出します。振り返りと英語課題はDiscussions、統計レポートはAssignmentの機能を使います。詳しくは教室で指示します。



■授業内容

第1回 10/5水 ウェブとは新しい文化である

★最初に、大学で学ぶ心構えについて

・Associate, Explore and Communicate!
http://www.box.net/shared/static/qjlcjs460r.ppt

・「ニッポンの教育の副作用」しゃべらない、考えない
http://president.jp.reuters.com/article/2010/10/25/D95CC71A-DA5E-11DF-A193-0FD83E99CD51.php

・考える・調べる・尋ねる
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/04/blog-post_13.html

・ある卒業生の述懐
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/07/blog-post.html

・「ゆとり」学生諸君、目を覚ませ!
http://news.livedoor.com/article/detail/5033539/

・日本の学生の就職「超」氷河期は永久に続く
http://news.livedoor.com/article/detail/4997809/

・大学院生から大学一年生へのアドバイス
http://news.livedoor.com/article/detail/5033462/

・日本の若者はほんとうにリスクをとらないのか? 
http://www.tachibana-akira.com/2011/09/3232

・ビジネスパーソンにとってWebを活用することは呼吸をすることと同じ

・凝縮した知識を処理する英語力
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/blog-post_21.html

・知者の社会的責任/何のために学ぶか
http://d.hatena.ne.jp/eisberg/20110611/1307805715

・情報リテラシーについて:内田樹
http://blog.tatsuru.com/2011/09/16_1350.php

・クローズアップ現代「奨学金が返せない」
http://blog.goo.ne.jp/posse_blog/e/53331dcfa486873ab62101d629fff229

・情報収集ではなく情報凝縮に対価を払う
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/blog-post_20.html

・なぜ書くことが人の知性を発展させるのか
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_14.html



★コンピュータを使うときの注意事項

・ファイル共有ソフトウェアは使用しない。著作権侵害は犯罪
参考:飢えて死にます――「黒執事」作者、ファンからの「海外動画サイトで見た」メールに苦言
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1008/17/news048.html

・OSとソフトウェアの更新を忘れない。Windows Updateを確認せよ。
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows/help/windows-update


・ウィルス対策を必ず行う。広島大学ではウィルス対策ソフトを構成員に対して無償提供しています。(またOffice 2010も一人一セットダウンロードできます。二台目にもインストールしたいときは、Office 2003までの機能を実質上有している無料のOpenOffice (2010年9月よりLibreOffice)のダウンロードをお薦めします。

いずれにせよOffice 2007/2010を使う人はファイルの保存を97-2003形式で保存してくださいファイルは他の人が使いやすいように作成することが原則です)。

・パスワードはわかりにくいものにして、かつ定期的に変更する。
・匿名で変な書き込みをしない。悪意や邪気は必ず自分に戻ってきます。また匿名はいつかばれるものです。
参考記事:正義が「呪い」に転ずるとき ―あるいはネット上での発言についての注意―
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_30.html

・インターネットだけでしかコミュニケーションできないような事態は避ける
片田珠美(2010)『一億総ガキ社会 ―「成熟拒否」という病』光文社新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010_8365.html

★課題:上記記事を読み、自分が考えたことをWebCTに書きこんで下さい。その際には、他人が読みやすいような文章や体裁になるように工夫して下さい。



第2回 10/12水 英語のウェブ空間でどんどん学ぼう

・楽しくなければ続かない!堅実で効率的な英語学習法
http://www.tommyjp.com/2011/09/blog-post.html

・モバイル時代の英語力強化法:日本にいながらの環境構築(3)
http://web.sfc.keio.ac.jp/~iba/sb/log/eid184.html

・英語週間【その1】~勉学の秋こそ! 英語を楽しく学び続ける3つのポイント

・英語週間【その2】~なぜ上手く英語を学べないのか? 英語を学ぶときのコツ
http://www.lifehacker.jp/2011/10/111011lhenglishlessonjd.html

・英語週間【その3】~楽しくて格安! 映画やドラマで英語を学ぶ方法
http://www.lifehacker.jp/2011/10/110929lhenglishlessonms.html

・英語週間【その4】~英語を上達させたいなら発音の訓練を!
http://www.lifehacker.jp/2011/10/111011lhenglishlessonti.html

・英語週間【その5】~勉強嫌いな人でも音楽が好きな人なら英語はきっと上手くなる!
http://www.lifehacker.jp/2011/10/111013lhenglishlessonem.html


★ウェブで英語を自学自習し、豊かな文化社会を創り上げよう!
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.html

★梅田望夫・飯吉透(2010)『ウェブで学ぶ ―オープンエデュケーションと知の革命』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010.html

・Michael Hart, a Pioneer of E-Books, Dies at 64

・So farewell Michael Hart, the genius who freed up literature
http://www.guardian.co.uk/technology/2011/sep/17/michael-hart-kindle-ebooks

・The Harvard Classics: A Free, Digital Collection
http://www.openculture.com/2011/07/the_harvard_classics_a_free_digital_collection.html

・日本語の危機とウェブ進化/水村美苗+梅田望夫
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/tachiyomi/200901_talk.html

★ブログ:英語動画で高度な英語説明力をつけよう!
http://greatpresentationvideos.blogspot.com/

★Academic Earth


★自分のパソコンで試してみよう!

(1) 様々なブラウザーに慣れる
(1a) ChromeとFirefoxは必ずダウンロードして使ってみて下さい。
(1b) 余裕があればOperaとSafariも試してください。
※慣れないブラウザーは最初は使いにくいものですが、少しずつ自分用に再設定すると便利になります。工具のようなアイコン(絵記号)あるいはoption, toolなどの欄を見たら、とりあえずクリックしていろいろと操作・設定してみてください。コンピュータは「習うより慣れろ」です。

(2) iTunesをダウンロードする
(2a) Podcastをクリックし、面白いpodcastを探す(podcastはコンピュータ上の一種のラジオ番組と考えて下さい)。
(2b) iTunesUでいろいろな講義を見つけて下さい。英語だといろいろなことが無料で学べることがわかると思います。
(2c) Radioをクリックし、面白い音楽番組やトーク番組を探して下さい。J-pop以外なら色々な放送があります。

ちなみに音楽ファンの人はぜひ以下のサイトをご覧ください!
http://yosukeyanase-on-art.blogspot.com/2011/10/how-music-works-by-howard-goodall.html

※アドバイス:ブラウザーを始めとしたソフト(アプリケーション、アプリ)をインストールする時には、ぜひ表示言語を英語にしてインストールしてください。日頃から英語でコンピュータを扱うことに慣れていると、新しい変化にすぐ対応できます。
また日頃英語で使っていて、英語がわからない他人にその使用を日本語で説明することは容易ですが、日頃コンピュータを日本語でしか使っていなかったら、その使用について英語話者と話をすることはとても困難です。
コンピュータの英語は、構文は難しくなく、単語とその使用法を学べばいいだけですから、あなたのコンピュータを英語表示にして、コンピュータと英語を同時に学んでください!

★課題:上記ブログ「英語動画で高度な英語説明力をつけよう!」、もしくは柳瀬の動画コレクションVideo collection by Yosuke YANASE (http://yosukeyanase-video.blogspot.com/) を見て、自分にとって興味深い動画を見つけて、その動画の魅力を伝えるような紹介文をWebCTに書いて下さい。

・Web文化について考えるための日本語書籍(および柳瀬のブログ記事)←S判定のための推薦図書として使ってください(ただし対象はブログ記事ではなく、実際の書籍です)。

・S判定に関する柳瀬の方針については下の記事を読んでください。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/blog-post_08.html

※もちろん以下の書籍はWeb文化について考えるための本のほんの一部です。Web文化を理解するためには、自分で、しかも英語で情報を探してください。以下のリストはとりあえずのスタートのためのものです。

柳瀬陽介(1997)『デジタル時代の英語教師』 
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/DigitalAge.html

アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート著、水島一憲、酒井隆史、浜邦彦、吉田俊実訳(2003/2000)『<帝国>』以文社、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート著、幾島幸子訳、水島一憲、市田良彦監修(2005/2004)『マルチチュード』(上)(下) NHKブックス
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2006.html#060425

谷岡一郎(2000)『「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ』文春文庫
http://yanaseyosuke.blogspot.com/search/label/ICT

梅田望夫(2006)『ウェブ進化論』ちくま新書
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2006.html#060327b

デビッド・ヴァイス、マーク・マルシード著、田村理香訳(2006)『Google誕生』イースト・プレス
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2006.html#060928

森健(2006)『グーグル・アマゾン化する社会』光文社新書
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2006.html#060927

トーマス・フリードマン著、伏見威蕃訳(2006)『フラット化する世界(上)(下)』日本経済新聞社
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2006.html#060920

アルビン・トフラー、ハイジ・トフラー(2006)『富の未来(上)(下)』講談社
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2006.html#060822

ウォーラーステイン著、山下範久訳(2006)『入門・世界システム分析』藤原書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_13.html

「日本の格差に関する若干の数字」
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/numbers.html#060810

梅田望夫(2007)『ウェブ時代をゆく』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/11/blog-post.html

西垣通(2007)『ウェブ社会をどう生きるか』岩波新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/10/blog-post_16.html

梅田望夫(2008)『ウェブ時代5つの定理』文藝春秋
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/04/5.html

斎藤孝x梅田望夫(2008)『私塾のすすめ--ここから創造が生まれる』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/05/x.html

ドン・タプスコット、D.ウィリアムズ著、井口耕二訳(2008)『ウィキノミックス』日経BP社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/09/dbp.html

ニコラス・G・カー (2008) 著、村上彩訳 『クラウド化する世界』翔泳社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/g.html

柳瀬陽介 (2008) "Education 2.0" について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/education-20.html

ロバート・B・ライシュ (2008) 『暴走する資本主義』 東洋経済新報社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/b2008.html

ジャック・アタリ著、林昌弘訳 (2008) 『21世紀の歴史』 作品社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/05/21.html

城田真琴 (2009) 『今さら聞けないクラウドの常識・非常識』洋泉社新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/10/2009_26.html

ジェフ・ハウ著、中島由華訳 (2009) 『クラウドソーシング』 ハヤカワ新書juice
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/02/juice_01.html

クリス・アンダーソン著、高橋則明訳(2009)『フリー』NHK出版
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/2009nhk.html

遠藤和子(2009)『Google英文ライティング』講談社インターナショナル
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/2009google.html

梅田望夫・飯吉透(2010)『ウェブで学ぶ ―オープンエデュケーションと知の革命』ちくま新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010.html

柳瀬陽介 (2010) 「DropboxとiPhoneの導入による全情報のユビキタス(偏在)化」
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/dropboxiphone.html

ゴードン・ベル&ジム・ゲメル著、飯泉恵美子訳 (2010) 『ライフログのすすめ』 ハヤカワ新書juice
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/02/juice.html

西垣通 (2010) 『ネットとリアルのあいだ』ちくまプリマー新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/02/2010.html

村井純 (2010)『インターネット新世代』 岩波新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/2010_27.html

片田珠美(2010)『一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病』光文社新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2010_8365.html

内田樹(2010)『邪悪なものの鎮め方』バジリコ、内田樹・釈徹宗・名越康文(2010)『現代人の祈り―呪いと祝い』サンガ
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_30.html

ゲルト・ゲレンツァー著、吉田利子訳(2010)『リスク・リテラシーが身につく統計的思考法 ― 初歩からベイズ推定まで』ハヤカワ文庫
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/03/2010.html

柳瀬陽介(2011)「キンドル3(Kindle3)のWi-Fi接続ができない! - しかし解決はあっけなかった(笑)」
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/07/3kindle3wi-fi.html

小林雅一(2011)『ウェブ進化最終形 「HTML5」が世界を変える』朝日新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/09/2011-html5.html

池田純一(2011)『ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力 (講談社現代新書) 』
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/09/2011.html

ジョン・キム(2011)『ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来』ディスカヴァー携書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/09/2011_14.html




第3回 10/19水Google検索について学ぼう


・安藤進(2007)『ちょっと検索!翻訳に役立つGoogle表現検索テクニック』丸善株式会社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2007/09/google.html

・遠田和子(2009)『Google英文ライティング』講談社インターナショナル
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/2009google.html

・Google 検索の基本: 基本的な検索のヘルプ
http://www.google.co.jp/support/websearch/bin/answer.py?answer=134479

・Google 検索の基本: 便利な検索オプション
http://www.google.co.jp/support/websearch/bin/answer.py?hl=jp&answer=35890&rd=1

・Google 検索の基本: 検索をさらに便利に使うコツ
http://www.google.com/intl/ja/help/features.html

・Google 検索の基本: 検索の履歴と設定: 表示設定
http://www.google.com/support/websearch/bin/answer.py?hl=ja&answer=35892&rd=1

・トップレベルドメインと国別コードトップレベルドメインについても知っておこう。

トップレベルドメイン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3
リンクドメイン内検索では
edu (日本の場合はac.jp)
gov (日本の場合はgo.jp)
が便利です。ぜひ覚えて使ってください。

・国別コードトップレベルドメイン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%88%A5%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%88%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3

Q: 次の記号はどの国を表しているだろう?
au ca cn de fr jp kr my nz ph ru sg th tw uk

★上のGoogle検索に関する記事を読んで、以下の検索方法は理解できたでしょうか。これらは非常に便利な検索方法です。常用してください。
+ 検索
" " 検索
* 検索
site: 検索

★Googleの他の サービスもチェックしよう

・Googleサービス一覧
http://www.google.co.jp/intl/ja/options/

・Gmail, Calender, ReaderはPCでもスマートフォンでもタブレットでも同期して使えるので非常に便利。

・Google accountを作っておくと、Gmail, Calender, Readerだけでなく、Document, Reader, Bloggerなども使える。

・Scholar, Books, Translate, YouTube, Alertなどは情報検索にとても便利(自動的に情報収集しようとするならなんといってもReader。もちろんTwitterも情報収集には便利)。

※ただしGoogleも単なる私企業に過ぎない。すでに莫大な力をもってしまったGoogleが暴走しないように私たちは常にGoogleに対して批判的な姿勢を崩さないようにしておく必要がある。


★覚えておくと操作が飛躍的に速くなる小技

・右クリックとショートカットキー
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/blog-post_24.html

・周辺部キーの打指固定とショートカットキー
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/06/blog-post_4134.html

・レポートの書き方(2) 剽窃を避ける
・今週から、特に指定がない限り、ブログ「英語動画で高度な説明力をつけよう!」(http://greatpresentationvideos.blogspot.com/)で、多くの人が共有できるような情報を提供することを課題とします。このブログの「はじめに」(http://greatpresentationvideos.blogspot.com/search/label/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%AB
)を読んで趣旨を理解した上で提出して下さい。

・なお提出する際は、このフォーマットで提出して下さい(一度ダウンロードして、自分のPCに保存しておくと便利)

・上記のフォーマットではHTMLを使います。次の記事を読んでHTMLについて理解しましょう。
小林雅一(2011)『ウェブ進化最終形 「HTML5」が世界を変える』朝日新書



第4回 10/26水現代コンピュータ文化について学ぶ

★基本概念1
・Evolution of Computer Use
http://www.box.net/shared/feo65vi98o3o8zx83rqt

Google Reader + Twitter + Evernote + Chromeの相乗効果が創り出す新しい知の生態系
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/google-reader-twitter-evernote-chrome.html

★情報の保存と活用のためのクラウドサービス
・Dropbox
https://www.dropbox.com/

※DropboxとEvernoteに関してはパスワード管理に注意すること!

★情報を収集するためツール
・Twitter
https://twitter.com/#!/

※ “Tweet”は「つぶやき・つぶやくこと」と訳されていますが、本来は鳥のさえずりを意味します。これは好みに過ぎませんが、仲間内だけでしか通用しないような「つぶやき」よりも言語を共有するすべての人々への「さえずり」をしてみませんか?

そもそもTwitterは開放的な構造をしていますから、tweetsはどこへでも転載され、仲間内だけでの発言には適しません。何気なく発言したtweetが大問題を起こす事件が最近多発していることは皆さんも御存知と思います。気をつけてください。

Twitterの開放的な構造からしますと、Twitterは自分のことばかりを「つぶやく」”meformer” (新造語)よりも、他人にとって役立つと思われる情報を”tweet”する”informer”に適したメディアではないかと思われます。(”Meformerとしての楽しみは、FacebookやGoogle+あるいはMixiなどのSNSの方が適していると思います)。

・Google Reader
http://www.google.com/intl/en/googlereader/tour.html
※Google readerは情報収集のツールとしては非常に安定して使いやすいものです。うまく使いこなしてみてください。


★Google が提供する電子メールサービス

※Gmailアドレスは、各種サイトでのIDとしても使えます。大学などの組織のメールアドレスではその組織を離れれば、そのメールアドレスが使えなくなりますが、Gmailですと一生使える(はずです)。Gmailアドレスを決める時には、一生使っても支障がないようなものにしてください(若気の至りの過ちは後年イタイよw)


★Social Network Service

※Google+もFacebookも実名登録が原則です。どちらか一つは英語専用にして、英語を通じての友情基盤を築いてみませんか?日本語のSNSならMixiがあります。
・Google+の使い方徹底ガイド
・Facebookの使い方・楽しみ方ガイド

※Facebookにはこのような批判的な見解もあることに注意
Facebook Is Tracking Your Every Move on the Web; Here’s How to Stop It

※また、Facebookは、自分がそこに書いた情報を何も考えずにどんどんと流すことができます。しかしその情報がどのようにまとめられ使われるかには注意が必要です。これはFacebookだけでなく、Google, Twitterなどのウェブアプリ全般に言えることですが、どうもFacebookに関しては、私たちが入力した情報を露骨に商品化する傾向が、他の企業に比べて強いように私には思えます。
The Meaning Machine (by Alexis Madrigal, The Atlantic, Sept. 27, 2011)

※誰でも閲覧できるウェブ空間に、自分の個人的な出来事を永久に残してしまうかもしれないことに関する警告はこちらをお読みください。
What You Shouldn't Post on Your Facebook Page If You Want a Job

※Facebookの動きは警戒すべきだが、Facebook以上にGoogleはプライバシーへの脅威になるかもしれないというのがこの記事です。
Facebook is scaring me.
http://scripting.com/stories/2011/09/24/facebookIsScaringMe.html

※また、ウェブ上には、犯罪者集団も含めたいろいろな人・組織があることに注意。個人情報の開示に対しては慎重であること。クレジットカード決済などはよほど信頼できるところ以外では避けた方が無難。たとえそのサイトに悪意がなくとも、他の悪意をもつ個人・組織に情報が漏えいする場合がありえます。ネット詐欺にはくれぐれも注意を。


★基本概念2
・Crowd sourcing
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/02/juice_01.html

・How the internet has all but destroyed the market for films, music and newspapers
http://www.guardian.co.uk/media/2011/aug/14/robert-levine-digital-free-ride

・If you were on twitter
http://bigthink.com/ideas/38698

(もしTwitterで英語の知的情報を知りたいのなら、個人的お薦めは@brainpicker, @openculture, @edge --Twitterの検索窓で探してみてください)

・『成長する英語教師をめざして』の中の「ネットワークづくり」の章

・学部生・大学院生にお薦めのウェブサイト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/04/blog-post.html

★課題:上記のサービスの最低どれか一つを実際に使ってみて、その感想などをWebCTに書きこむこと。(英語動画選択はお休みです)



第5回 11/2水 情報と知識を構造的に考える(1)

・コンピュータと人間知性の共進化について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_7852.html




第6回 11/9水 情報と知識を構造的に考える(2)

・コンピュータ上で「思考」をするために
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/blog-post_03.html

・参考:『成長する英語教師をめざして』の第一部

・思考ツールとしてのプレゼンテーションソフト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/03/blog-post_496.html

・まとまった文書の作成法



第7回 11/16水 メディア論と社会分化論から英語とコンピュータの使用について考える


・書き言葉が私たち近代人をつくった: Walter Ongの議論から
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/walter-ongorality-and-literacy.html

★メディア論と社会分化論から考える言語コミュニケーションの多元性と複合性
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/11/html.html



第8回 11/30水 音声と動画の処理

※この回は総合科学部J209教室で授業を行ないます!間違えないように教室に行って下さい。なおこの週も、毎回の振り返りと、英語動画選択の2つの課題はWebCTに提出して下さい。



第9回 12/7水 エクセル入門

今週からエクセルを使い始めます。まずは次の記事を(もう一度)読んで下さい。


さらに中学校教員の次のブログ記事をお読みください。
・Excelでラクラク!アンケート集計

さて、授業では課題として皆さんのこれからの学生生活をデザインして、それをエクセルで表現することを行います。

まずは基本原則です。

次に以前に行った、パワーポイントを使っての思考整理(マインド・マッピング)です。

・思考ツールとしてのプレゼンテーションソフト
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/03/blog-post_496.html

・エクセルで行うタスク管理
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_09.html

・Microsoft Office Onlineトレーニング (初級者はここでじっくり・ゆっくり慣れて下さい。とにかく最初は焦らずに、時間をかけて慣れることが重要です。)
http://office.microsoft.com/ja-jp/training/

・『日経PC21』の薦め/エクセルの使いこなし(中級者は「15の技と5つの使いこなし」をチェックしてください)

しかし仕事でよく使うエクセルの使いこなしについては『日経PC21』がよくまとめています。以下の記事を読み、特にそこにある「15の技と5つの使いこなし」は必ずマスターしておいてください。
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/11/pc21.html

※エクセルに対して苦手意識をもっている人は、必ず上記のサイトなどを使ってエクセルに習熟して、苦手意識を払拭しておいて下さい。とにかくとりあえずは自分なりに使いこなせばいいです。イライラしたりしたら、一休み深呼吸して、周りの人に助言を求めたりしてください。エクセルなどのソフトは、落ち着いて時間をかければ誰でも習得できます。もし習得できないと思っても、それはあなたの知性のせいではなく、あなたが焦ってしまったから(そしてマイクロソフト社のデザインがよくないからw)に過ぎないことをどうぞ思い出してください。

★課題
上記のタスク管理フォーマットを使って、これから2012年までのタスク管理(週単位)と、卒業までのタスク管理(月単位)を作って下さい。(英語動画選択課題はお休みとします)。

※エクセルによるタスク管理の過去の優秀作品です。ダウンロードしてください(パスワードが要求されます)。



第10回 12/14水 基礎統計とエクセル操作(その1)


以下、相沢裕介(2010)『統計処理に使うExcel2010活用法―データ分析に使えるExcel実践テクニック 』 カットシステムを教科書として使います。ですが、エクセル操作が得意な人は、以下の説明・ファイル・記事だけで理解できるかもしれませんので、購入は自分の判断で行って下さい。


■分析ツール

各種統計分析は「分析ツール」を使えば非常に簡単に実行できます。しかし「分析ツール」は最初はエクセルに入っていないので「アドイン」する必要があります。

Excel 2010でしたら、「分析ツール」をアドインするためには、次の操作を行って下さい。「ファイル」のタブから「オプション」を選択→「アドイン」を選択→「アクティブでないアプリケーション アドイン」から「分析ツール」を選択→「選択」アイコンをクリック→エクセル画面に出てきたダイアログボックスから「分析ツール」にチェック印を入れてOKをクリック。

以上で完了です。エクセル画面の「データ」タブを選択すると右上に「データ分析」が出ているはずです。そこをクリックすればデータ分析のアドインが使えます。


■計算結果に出るEという記号

しばしばエクセルでは計算結果の中にEが出ますが、これは演算の都合で自動的に指数表示になってしまったものです。この表示では何のことかよくわからないので、この場合は、そのセルを、「書式→セル→表示形式→数値」のように選択し、「小数点以下の桁数」を適当に定義することによって、常識的な数値表示にすることができます。



■<課題作成用データ>

このデータファイル (http://www.box.net/shared/7hoqxfka7t)は、あなたが英語教師として担当した1年1組と1年2組の、校内実力テストの点数(100点満点の素点)です。1年は10組までありますが、あなたは担当していないクラスのデータはもっていません。第一回目のテストは5月に、第二回目のテストは10月に行われました。問題作成者は第一回目と第二回目で異なっています(当然問題も異なっています)。

あなたはクラス担当教員として、これらテストの結果を英語科主任と各々の生徒に対して報告する義務があります。エクセルを使って必要な分析を行い、報告書を作成しなさい。なお報告書は英語科主任に対して提出するものとし、そこには、(a)1組と2組の違いに関するクラス全体の分析と、(b)それぞれの生徒個人に対しての報告の基になる分析の最低二種類の分析が含まれているものとします。

また、本来なら報告書には統計分析の進める際の考え方などは書かずに、結果だけを分かりやすく示せばいいのでしょうが、この報告書は授業の評価のためのものですから、どうして示されている分析をするのか、またその結果はどんな意味を持つのかを分かりやすく説明するようにしてください。

なお提出に関しては、今回はA4に(カラー)印刷して提出してください。電子媒体では受け付けません。印刷してきちんと表示されるファイルを作ることが課題の一つの要素です。
A4 で印刷したらまともに読めないようなファイルは採点の対象としません。電子的にはうまくできていても、印刷するとフォーマットが乱れることはよくあることです。職場では印刷してファイルを提示することが多いのでこの要求を出します。結構時間がかかりますので、きちんと計画的に課題を完成させてください。


■解説ファイル・記事
※数式を書くために一部、Office2007以降のバージョンのファイルを使用しています。Officeを使っていない方、ごめんなさい。請求してくださればPDF版をお渡しします。あるいは友人にPDF化することをお願いして下さい。

その1
http://www.box.net/shared/8y3ctyaq4d

エクセルできれいなヒストグラムを作るには
http://www.box.net/shared/7hg30437np

その1への解説補助資料
http://www.box.net/shared/hpui6krj6ygo54z76v7e

その2
http://www.box.net/shared/l61jtk3aip

推測統計に関するパワーポイントスライド
http://www.box.net/shared/fhe3sdo5j6

その3
http://www.box.net/shared/bji8xq9uds

標本調査と全数調査についての簡単なまとめ
http://www.box.net/shared/kqh4m2tc6t

その4
http://www.box.net/shared/spl6jsnzqp



第11回 12/21水 基礎統計とエクセル操作(その2)


第12回 1/11水 基礎統計とエクセル操作(その3)


第13回 1/18水 基礎統計とエクセル操作(その4)


第14回 1/25水基礎統計とエクセル操作(その5)


第15回 2/1水基礎統計とエクセル操作(その6)


第16回 2/8水 まとめ


2011年9月23日金曜日

授業の「正中線」?





[ いつものように、自分は中高の英語の授業をしていないのに述べる勝手な戯言です。ご容赦を。]

新人教師の授業を見ていると、とりあえず授業でやることになっている手順は守っているのですが、なんだか授業がつながらず、生徒ものってこないことが多いです。

ここで武術ヲタとしてまた武術の話を導入しますなら、最近どこかで読んだか聞いた(注1)言葉に次のようなものがあります(うろ覚えですので、ずいぶん私の言葉になっていますのでご注意を)。


武術を単純化していいうなら、いかにして自分の正中線を保ち、相手の正中線を崩すかに尽きる。
そのような態勢になれば、そこで何をしようとも技になる。投げるのが適切な態勢なら投げればよし、突くのがよければ突けばよい。蹴ればいいだけなら蹴ればよし、極めるのが自然なら極めればよし、押せばいいだけなら押せばよい。
要は、技を駆使してから相手の正中線を崩すのではなく、自他の正中線を制御することが基本であり、技はその中で出すものであることを理解しなければならない。


自らが動けないヲタの私の言葉ですし、武術が正中線だけに尽きるというのも単純化に過ぎないかと思いますが、ここで私が述べたいことは、最も大切なことを貫き通し、後は状況次第で動くことの大切さです。

以前拝見した和田玲先生の授業では、和田先生は授業で最も大切なこと(=比喩的な意味での「正中線」)として、「生徒の気持ちを断ち切らない」ことを堅持しているように思えました。和田先生は既に一つの授業手順を自らの定番としていますが、そこで大切なのは生徒の興味・関心・意欲を断たないことであるように思えます。

和田先生はその「正中線」を保つことを試みる中で和田先生なりの定番を作り出したように思えます。ですから仮に生徒の気持ちが削がれるような事態になったら和田先生は迷わず定番の手順を崩して対応するでしょう。逆に言うなら新人教師が和田先生の定番の手順でいくら授業をこなしても、その手順でもっとも大切にしていること(=「正中線」)を理解できていなかったら、その手順は空虚なものに過ぎません。

ですから大切な事は、授業の「正中線」 --ここでは「生徒の気持ちを断ち切らないこと」としていますが(注2)-- が何であるかを発見し、理解し、体得し、それを常に体現できているように試みることだと思います。その中で自然に振る舞えばそれは何をしようと自ずとよい授業になるはずです。またその「正中線」をある程度でも体得できていれば、他の教師の授業技術を見聞きしても、うまくその技術を自分の授業の中に取り込むことができるはずです。

逆に言うなら、「正中線」について何も分からなかったら、いろいろな「達人の技」を本やDVDやワークショップから学んでは試し、失敗し、次々に新しい技を求め続け、最後には自分は駄目だと思い込んでしまうだけに終わるかもしれません。それは、ちょうど格闘技の初心者が、技のパターンを学んで(例、ジャブからワンツー、そしてローキック)むやみやたらとそれを試そうとし、うまくゆかなければその技のパターンが悪いのだと決め付け、次々に新しい技のパターンを学んでは、どんどんそららの新しい技に振り回されるようなものかもしれません。

試行錯誤の中で「正中線」が自然に(無自覚に)体得できればいいでしょうが、可能ならば「正中線」を自覚的に学び、その体得・体現を意識的に心がけるべきでしょう。

武術においては、「正中線」の体現・体得が明確に意識されています。それでは授業の「正中線」とは何なのか? -- この問いを抜きにしたまま、そしてその授業の「正中線」の体得・体現を抜きにしたまま、いくら方法論を学んでも意味が無いのかもしれません。





(注1)
「自らの正中線を保ち、相手の正中線を崩す」ことをどこで読んだのかあるいは聞いたのか今は定かではありません。しかし、出典を探す中で次の言葉を再発見したので引用しておきます。



《うつすとも水は思わずうつるとも 月は思はぬ廣澤の池》

 「空手に構えなし」とは、すなわちこの境地です。
 
 『武備誌』にある《拳法八句》の第一句「人心同天地」が示す通り、天地とわれと同根、万物われと一体、という境界であり、天地と一心になった境地です。天地と一心の境地にまで悟入すれば、相手はこう来るだろう、そうしたらああ行こう、ああ来たらこう行こう、などという心構えは抜きにして、「さあ来い」と力み返るのでもなく、「どこ吹く風」とうそぶくのでもなく、虚心坦坦として平静そのものでありながら、相手の心が動けばその心に応じ、相手の手足が動けばその手足に応じて動くのです。すなわち石火の機です。妙機、玄妙不思議の働きです。浅利又七郎の《音無しの構え》も、このような構えではなかったでしょうか。
 
摩文仁賢榮(2001)『武道空手への招待』三交社、222ページ


「天地とわれと同根、万物われと一体」などと言えば、漫画の戯言のように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、もちろん武術にはこの表現の身体的基盤があります。上記のような表現は、その身体的基盤をわかりやすく表現するための「心法」です。


 これ [=スポーツ] に比べて武道では -- というより日本の文化では、極力自然に逆らわず、自然から力を借りようとします。もちろん、作用が加わらなければ、動作(反作用)が生じることはありません。反動は必要です。しかし、武道とスポーツとでは、初動作用の起こし方がまったく違うのです。
 
 説明するのが非常に難しいのですが、《順突き》であれ《逆突き》であれ、スポーツのように後ろ足で地面を蹴るのではなく、膝関節の筋肉を瞬間的に脱力させます。すると、大げさにいうと、その瞬間、体は地面に引きつけられるように落下します。その重力に身をまかせ、さらにその反動として地面から返ってくる力を利用するのです。この動作は外目にはわかりません。俗に《膝を抜く》と呼ばれる動作です。
 
 そして膝を抜いたまま、スポーツのように腰を回転させるのではなく、腰を入れることによって、相対する二人がつくっている空間の重心に、そのまま身を委ねるように倒れ込んでいきます。これが倒木法です。
 
 心法的に表現するなら、己を無にして、天地と一つ心になる。すると、そこには主体も無ければ客体もない。ひとりでに相対する二人が和するポイント、つまり二人がつくる空間の重心に吸い寄せられていく、ということでしょうか。
 
 腰を入れるというのは、たとえばナンバ歩きをしてみると、腰が先に前に出ていくというか、腰に引っ張られるような感覚があるかと思います。見えない重心が常に腰の一つ前にあるという感じです。その感じです。その見えない重心を意図的につくり出すのです。

摩文仁賢榮(2001)『武道空手への招待』三交社、176-7ページ


ちなみに私は上記のようなことをぼんやりと理解できるだけで、体得・体現できていませんが、武術の身体技法の合理的説明としては、新垣清先生の『沖縄武道空手の極意―今よみがえる沖縄古伝空手の極意』『沖縄武道空手の極意〈その2〉』『沖縄武道空手の極意〈その3〉』(いずれも福昌堂)がすばらしいと思います。


「正中線」についてグーグル検索で簡単に出てくるものには以下のようなサイトがあります。



http://www.youtube.com/watch?v=ASiyIb2qtrs

正中線を保つことの重要性

武道の意味

正中線と剣

正中線(中心線)



(注2)
以前、まさに授業の達人とも言うべき先生が、他のこれまた達人としか言いようがない先生の授業を初めて見た時に「生徒と教師の視線がまったく途切れていないのが凄いと思った」と述懐しているのを私は聞いたことがありますが、この発言からしても「生徒の気持を断ち切らない」というのは、それほど間違った授業原理ではないとも思います。(皆さんのご意見をお願いします)。


追記 (2011/09/24)

正中線に関する記述は、横山和正先生による『瞬撃手・横山和正の空手の原理原則』(2008年、BABジャパン)からのものでした。以下に、原文を引用します。

空手とは相手との正中線の崩し合いとも言える。

 それゆえ、ひとつの工房が交叉した時点で相手の正中線が崩れ、こちらはそれを維持していなければならない。おかしな言い方だが、両者が一体となって初めて技は完成する。つまり単独で完璧な技の存在は無く、すべては相対的な相性と状況による所が大きい。それを築いている主要素が間合い(距離)と体勢(正中線)である。 (38ページ)


 古典的武術の身体法を用いる際には、脚のバネを利用したボクシング的なフットワークよりも膝の緩急を用いた膝を抜くような動作が多く用いられるが、こうすれば何れかの方向に身体が傾くこともある。

 この場合、倒れて傾いた正中線を打ち手・引き手と言う動作に繋げる事によって全体バランスを整えているのである。

 また、こうした正中線を崩しながらも全体像でそれを保つための関係を時計の文字盤で表すこともできる。

 構えの(十字線)正面を12時として、正面からの攻撃に対して反撃する動作を見ていこう。右足が5時の方角にいくと、手は容易に11時の方向へ出やすくなる。正中線が右に傾くアンバランスな体勢の中で、左手を伸ばす事によって安定させるのである。

 つまり原理原則を把握していれば、正中線を保とうとする感覚の中で「打とう」と思わなくても、攻撃を決行できることができるのである。これは後述する「陰陽」の関係と重なってくるが、倒れた体勢を戻そう、支えようとして起こした動作が、そのまま攻撃の動作となるのである。

 これら一連の正中線の意識を「攻めの正中線」として位置付けているが、ここではあくまでも「打とう」という意識は持たずに正中線を保って動いていた結果、相手を打っていたという状況でなければならない。(32-34ページ)。

この引用の中でも、特に「原理原則を把握していれば、正中線を保とうとする感覚の中で「打とう」と思わなくても、攻撃を決行できる」や「あくまでも「打とう」という意識は持たずに正中線を保って動いていた結果、相手を打っていたという状況でなければならない」といった箇所が私の中で印象に残っておりました。

いずれにせよ武術というのはすごいものだと思います。



追追記 (2011/10/03)

新垣清先生の著作を読み直したところ、先生の著書にも一(=最も大切な原理)を知ることで万(=様々に展開される技)を知ることに関する記述がありましたので、ここで引用します。

最初は「ナイファンチ」という空手の型を「一」とした上での説明です(ナイファンチについては例えば沖縄空手道松林流 新里勝彦先生の動画をご覧ください)。


本当のことを言えば、「ナイファンチ」の理念を技に活かすことさえ出来れば、素手での突き蹴り、投げ、極めはもちろんのこと、武器を持っても究極の闘い方が出来るということであり、言葉を変えれば身体操作を徹底的に学ばせる体術としての働きがあるのだ。

そのために人間の行動の根源的な要素を徹底的に理解させ、それを相手に対して心理的・肉体的な虚実を作りながら繰り出せる身体操作を修得させる「ナイファンチ」を理解すれば、突き蹴りは勿論のこと投げ、関節への極めなどの技は、副次的に産出されるものでしかない。

武術においては根源にある一(ひとつ)を理解すれば、千も万の技も作り出せるとし、その一つを徹底的に理解させる。これが日本武道の根本的な思想である、「一つの太刀」に繋がる考えだともいえる。

俗に言えば形の理念さえ分かれば、「形の分解」としての技は無限に生まれてくる。ただ理念が分からずに形を分解してしまうと、それは無駄な練習方法になってしまうのだ。

新垣清(2009)『沖縄武道空手の極意〈その2〉』福昌堂、3ページ



次は、正中線をゼロとし、そこからの変動をプラスやマイナスとして感得することを「一」し、その身体知をもって、相手の身体から相手の心を読み取ることについて述べた文章です。


しかし、これらの手、体、そして足のさばき以前に、一番重要なのが体幹の作り方なのだ。

自分の体幹部の存在理由と、その活用が理解でき、相手のエネルギーがゼロになる場所が、そして状態がわかればプラス1にかわろうとする時が明確に判るようになる。そして当然ながら、マイナス1になろうとする状態も判る。

だから言葉を代えれば、未来の予測が立つのだ。

これが熟練すれば、相手が思う以前に、相手が起こそうとする動作を読むことが可能になる。相手の意識の下にある、無意識の状態まで読めるようになるからだ。

人間の身体は地面に垂直に立っている時でも、完璧に静止することはなく、常にある部分は動いている。その動きは結果的には、ゼロの部分である正中線の存在に影響を及ぼす。

正中線を境目として、プラス1、そしてマイナス1などの間を、波動を描いて動いていると言ってもよい。

そして人間が動き始める切っ掛けとは、任意なように見えても、実はこの波動の影響を受けて動きだす。

なぜなら人間は本能的にプラス1度の時にプラスの部分へ移動した方が、最大静止摩擦力が少なくてすむと知っているからだ。だからこの位置を知ることは、相手の心さえも読むことに繋がってくる。

そして最後には、相手をゼロに封じ込めることが出来るようになる。

しかし武術の達人が操作する心法とは、戦国時代の雑賀党の教えや旧・日本陸軍の射撃の操典で述べるような、「闇夜に霜が降りる」ような最小の身体操作で、ゼロの位置からプラス1への移動を可能にする。

そのような相手に、対峙する術(スベ)があるのだろうか_

ある!

江戸時代後期に、北辰一刀流を興し江戸三大同上とも呼ばれた玄武館を開いた千葉周作(成政・1794-1855)という人間がいる。

この男が残した「剣法秘訣」という本に、「闇夜に霜を聞く」という驚愕すべき言葉が載っている。

ちなみにこれは、千葉周作自身の言葉というよりは当時の武道家(剣術家)の間に、奥義を極めた人間たちの認識として存在していたと理解したほうがよいだろう。

この言葉のごとく、自分の身体操作を「闇夜に霜の降りる」動作にまで高めた人間に対抗する唯一の手段とは、心気納まる状態で「闇夜に霜を聞く」以外に無い。

悠久な歴史の流れにおいて、この「闇夜に霜を聞く」ほどの心法の必要性を痛切に感じた時こそ、身体文化として発展していった日本武道が、心身文化として昇華された瞬間であったはずだ。
新垣清(2003)『沖縄武道空手の極意〈その3〉』福昌堂、131-132ページ。


人間は自分が意識する前に、身体が動いているというのは、ベンジャミン・リベットが『マインド・タイム 脳と意識の時間』で言うとおりですし、自らの心身理解を基盤にして相手の身心を推測するというのも十分に考えられることです。

ここで私の経験を述べるのはいかにも不釣合いですが、私もよく考えながら言葉を吟味して書こうとする経験を深める中で、本の行間から著者の心情を推測することが容易になりました。もちろん著者は私の目の前にいませんから私の推測が正しいかは確かめがたいですが、直接相対する相手との口頭での言説からでも言葉に現れない相手の心の動きを以前よりは読めるようになったことは相互作用の中で確認できていますので、読書においてもおそらくは私の「心の理論」は発達しているはずです。

それにしても「闇夜に霜の降りる」ほどに自らの心身を澄ませた相手に対して、自らの心身を「闇夜に霜を聞く」までに澄ませる身体文化というのは、現代人の想像を超えるほどに偉大なものだったはずです。諸外国で「サムライ」の立居振舞は言語の壁を越えて賞賛の的となりましたが、それもむべなることかと思います。

そのように偉大な先達をもちながら、現代日本において、テレビで見る政治家の顔つき・所作の情けなさ、そして何よりも鏡に映る私自身の醜悪さはひどいものです。先達に恥じない生き方をせねばと改めて思います。








2011年9月21日水曜日

道面和枝先生の授業 -- フツーに頭がよく、フツーに愛情深い・・・って凄いことだと思う



9月18日の達セミin広島に参加しました。といいましても午前中には用事がありましたので --これでも一応クリスチャンなんで、ハイ-- 午後だけの参加でしたが、それでも実り豊かだったので、ここに午後の道面和枝先生の発表について簡単にまとめておきます。



■ パワーポイントでクイズ番組Jeopardyを

道面先生は、最近はIBMによる人工知能のWatsonが勝利を収めたことでも有名になっているクイズ番組Jeopardyをパワーポイントで行います。このパワーポイント技術は、この前の達セミで学んですぐに習得したそうです。道面先生は先日お孫さんが生まれた年代ですが、このように急速に技術を習得します。私が中高の先生と接していている限り、パソコン技術を恐れずに操ろうとすることに関しては、年齢や性別はあまり関係ありません。授業や部活での必要性を感じた人はどんどん使いこなしていますし、それを感じない人(あるいは感じても、その感情を抑圧してしまう人)はまったく習得しないままです。

とはいえ道面先生は、単に中学生相手をパワーポイントで遊ばせているだけではありません。問いも答えも、中学生がわかりかつ興味を抱くようなクイズ問題を考え、それに適うイラストや写真などもパワーポイントに組み込んでゆきます。実践面でも、解答の英単語をただ言わせるだけでなく、答えの文字を1つずつ読み上げさせ、空中でその単語を綴らせたりと、最近の中学英語の重要課題である「書くこと」につなげてゆきます。

さらに解答を口で言うだけでしたら、反応の速い生徒だけのゲームになりがちなので、道面先生は時にフリップ(白い板)に解答を書かせるようにします。フリップはA3のコピー用紙をラミネートでくるんだものです(職員室にラミネート加工の器具があるところだったらすぐに作れるでしょう)。解答はそれにペンで書かせますが、解答を消すのはメラミンフォーム 激落ちくんといったスポンジです(道面先生によるとこのスポンジはスグレモノですが、欠点はその名前。受験期には使いにくいそうです(笑))。

パソコンを使いこなす授業はたくさんありますが、その際にやはり大切なのは上記のような配慮かと思います。



■ アルファベットのディクテーション

上にも簡単に書きましたが、道面先生も今の中学英語の課題は書くことだと考えています。小学校での楽しい歌・ゲームは、口頭だけで行われていますので、書くこととは中学生にとっての大きなチャレンジとなります。

道面先生は、そのチャレンジを始める一つの方法として、単語を一文字ずつ読み上げ、生徒にそれを書かせることをさせます。やってみるとこれは案外に難しく、集中力が必要です。さらにその発展編として、ウェブサイトのURLを読み上げたりもします。ご承知のようにURLはラジオ番組などで時折読み上げられますから、アルファベットの名前を正確に聞き取り、それをすばやく書き取る技術は日常生活でも重要です。アルファベットのディクテーションといった基礎的訓練もうまく実生活につながるものにしようという道面先生の姿勢がここにも見えます。



■ パターンを活かしての段階的英借文

「書くこと」はさらに文レベルに行きます。「書くこと」を道面先生は、次のように段階分けしています。


(1) 視写

(2) 英借文

(3) 自己表現文


(1)の視写に関しては、黒板の英文をきちんと書き写すことができない生徒が多いことから、これまでも重要性が認識されていましたが、最近は英語だけでなく、国語・数学・社会・理科などの他教科でも視写の大切さが認識されているそうです。日本語ですらも、きちんと(=すばやく・正確に)書き写すことができない生徒が増えているからです。英語での重要性はますます増大しているといえましょう(ちなみに私はドイツ語になると、急に視写の能力が落ちます。視写も多要因が絡んだ複雑な認知行動です)。

(2)の英借文は、口頭でのパターン・プラクティスを、書かせてやるような形で行います。例えば最初の英文を次のように設定します。


Koji uses English when he talks with Ben.


最初の指示としては、"Koji"の箇所(および"Ben"の箇所)だけを換えることなどが考えられます。これだけでも正確に書き写すことは中学生にとって必ずしも容易ではありませんし、主語を"I"などに換えると三単現のsが脱落することも学習事項です。

次には"English"の箇所を換えてもいいことにします(私はこの時点で"John uses music when he talks with us."などを考えていました -- 達セミ終了後は、皆でオノ・ヨーコ展を見に行くことにしていたのでJohnが話題の一つでした)。

さらには"talks with"の箇所も換えていいことにします。そうなると骨組みとしては"X uses Y when Z"ぐらいになります。このパターンの中で生徒に創造的に英語を書かせるわけです(言うまでもなく"use ... when ..."というのは実生活でもよく使われるパターンです)。

さらに課題文としては次のような対話を取り上げ、つながりのある英文の学びにつなげることもできます。


A: Do you want to go abroad?
B: Yes, going abroad is my dream.


この課題文でも部分部分を換えさせて自己表現につなげてゆくわけですが、文法的には不定詞、動名詞が学習できますし、「私の夢」というところで生徒の想像力(あるいは遊び心)を刺激することもできます。言うまでも課題文提示は、英語学習と生徒心理を踏まえたものでなくてはなりません。

このようにしていくと(2)の英借文は、(3)の自己表現文に自然につながってゆきます。道面先生は、古くからのパターン・プラクティスの発想を、書くことで展開して、生徒に少しずつ確実に力をつけながら、自由度を増やしていっていました。



■ 英語のポスターを創ろう

New Horizonの教科書には英語のポスターを扱った課があります。道面先生はこのポスターを生徒に視写させます。しかし与える指示は、「ポスターとしてわかりやすいものになるように、文字の大きさや色を工夫して下さい[ここで美術部などの生徒の目が輝く]。ただし制限時間は7分です」といったものです。

ただ視写するだけでしたら作業は単純になりがちですが、こうすると生徒は自然と内容理解を深めなければなりません。どこを強調するべきかを理解しておかなければならないからです。さらには制限時間が加えられているので、いたずらに美術的装飾に時間はかけられず、すばやく正確に英文を視写しなければなりません。ですから生徒としては「友達にも『おおっ』と言ってもらえるようなきれいなポスターを作ろう」という意識なのかもしれませんが、実は生徒は、(a)英語の深い内容理解と(b)英語のすばやく正確な視写を行っているわけです。もちろんこれが道面先生の狙いです。ベテランの知恵を感じさせます。

くわえてこのポスターを他の生徒に見せる活動もありえます。その際には「このポスターで私が工夫したのは○○です。○○によって△△を狙いました」などのパターンを与えます。このような言語活動は教科を超えて行い、生徒の言葉の力をつけさせる必要があると道面先生も強調していました。



■ 「書くこと」とは

ここから蛇足の私の感想になりますが、道面先生は、無理に背伸びすることなく、自然に生徒にぴったりの学習を導いているなと思わされます。その地に足のついた思考は、当然のことながら、理論的に考えても非常に合理的です。

例えば「書くこと」ですが、私などはメディア論などから啓発を受けて「書くこと」について考えなおそうとしていますが(例えば「メディア論と社会分化論から考える言語コミュニケーションの多元性と複合性」など)、そこから浮かび上がってくる「書くこと」の特性には


(ア) 思考促進性

(イ) 永続性

(ウ) 可搬性


などがあります。

道面先生の実践は、一見すると伝統的なパターン・プラクティスを書くことに変形させただけのように思えますが、口頭でのパターン・プラクティスがともすれば心理的プレッシャーの強い訓練になりかねないことに対して、道面先生の実践では書かせていますので、生徒がじっくりと文法の点でも発想の点でも考え・振り返る時間が与えられています。(ア)の思考促進性がうまく使われています。

さらに(イ)の永続性も活かして、生徒が書いたものは作品として残し、上記のポスター発表のように展開することができます。(ウ)の可搬性については、今回の実践ではありませんでしたが、例えば生徒の書いた「私の夢」に関する英文の紙切れを教室で回して、感想を書いていったり、「いいね!」の印をつけていくなど、いろいろと発展的な活動は考えられます。

「書くこと」が重要とは、多くの教師、学校、教育委員会が言う事ですが、その反面、「書くこと」に関する分析的な思考がなく、とりあえず鉛筆と紙を使う作業・活動を、やみくもに、順序の道理も考えずに詰め込んだだけの授業も散見されます。道面先生のようなベテランの実践を、分析的に言語化することにより、私たちは進むべき途を明らかにできると私は考えます。



■ 生徒の力を借りる

道面先生の実践について私の言いたいもう一つの点は、道面先生がうまく生徒の力を借りて活用しているということです。この生徒の力を借りて活用することについては、以前「武術的授業?」でも少し触れましたが、これは簡単なようでなかなかできません。一つには私たち教師の発想が固定化されているからであり、一つには私たちの力量が十分ではないからです。

例えば上のアルファベットのディクテーションなどの活動で、道面先生は中学生(あるいは訪問授業をした小学校の児童)に、日頃見聞きする英語の略号を上げさせます。そうしますと


ET, PC, IQ, UFO, CIA, LED, ATM, MVP, etc


といった教師でもすぐに思いつくものだけでなく、


FC, MF, PK, PSP, DS, USJ


といった子どもの興味に即したものが出てきて、さらには次のようなものも出てくるそうです。


AKB, TNP





日常生活で観察できるアルファベット略語(あるいは単語)を片っ端から列挙する授業というのは、もし私が教育困難校に配属されたらまっさきにやってみたい活動で、私は長年「街を歩いて写真撮影をしよう」と思いながらも果たせないままでいました。

でも考えてみれば、教師だけが集める必要はないわけです。児童・生徒に集めさせればいいわけです。もちろんその中には教師が知らないFCやTKなどもあるでしょうが、それは教師が「知らない。教えて」と言えばいいだけ。AKBやTNPといった(確信犯的・あるいは無自覚の)「間違い」については(笑顔と共に)そこから学びを展開してゆけばいいわけです。

また英借文から自己表現文への展開においても、生徒にどんどんと想像力をはばたかせたらいろいろな発想が出てくるでしょう。そうして生徒に「書きたい・表現したい」という欲求が出てきたら、そこから学びを誘導し、ヒントを出したり、未習事項を先取り的に導入したりすればいいわけです。教師もわからなければ「わからない。一緒に考えよう」や「和英辞典で調べてみようか」と言えばいいだけです。

ところがこれがなかなかできない。「教師は教える存在」と信じ込んでいるから、教師として「私もわからない」となかなか言えない。教師が自らの力量の限界を生徒の前で認めるためには、その教師が力量ある教師であることを、生徒が日頃から相当に認めていなくてはいけません。多くの教師は、定められた教科書の項目を教える以外の力量がないため、あるいは本当はあるのにその力量を試すのが怖くて、生徒に即興的な学習活動をさせません。

先日、The New York Timesの"Rock Is Not the Enemy"という音楽教育に関する記事を読み、私も@hira_uさんのような感想を抱きましたが、同時に「子どもは即興演奏をけっこう楽しむのに、音楽教師は存外に即興演奏ができない」といった記述を面白く読みました。英語教師も定められたことを教えることは得意でも、自ら即興で英語を語り、書くことは得意でないのかもしれません。それならば得意になれるように、感性・考え方を変え、試み、その中の間違いから学ぶべきでしょう。

生徒の即興的思考を活かせるだけの器量と力量のある教師になりたいと思います。



■ フツーに頭がよく、フツーに愛情深い

最後に「英語教育学」を専門とする研究者が聞けば不愉快に思うかもしれないことを書きます。

今回の道面先生の英借文・自己表現文実践がFocus on Formの実践にあたるのかどうかよく知りません。道面先生もこの概念をよくご存知なのかどうか、私も尋ねていないのでよく知りません(注)。しかし、この実践を離れて、一般論として述べれば、優れた実践者は、言語教育の「理論家」が仰々しく言い立てることを軽く越えるようなことをのびのびと実践しています。

優れた英語教師になるためには仰々しい「英語教育学」や「応用言語学」の専門知識は必要でなく、フツーに頭がよく、フツーに愛情深い人間でありさえすれば、いいのかもしれません。

いや、やはりこれは言いすぎでしょうか。と言いますのも、優れた英語教師の多くが、大学院などで一度ゆっくり理論的に考えたいという希望を持っているからです。

ですから(言い古されたことですが)「理論から実践へ(theory to practice)」という一方向でなく、「実践の中に理論が見出され、理論の中からさらなる実践が生まれる」といったPraxis(= the syntesis of theory and philosophy, without presuming the primacy of either)という態度が必要だと考えます。

その点で、私の狭く偏った見聞から言いますと、学会に参加する小中高教師よりも、達セミのような小中高教師の集いに参加する研究者の方が少ないように思えます。少なくとも小中高の現場を知らず、そして知ろうとせずに(あるいは自らの過去の自分の現場経験だけを頼りに)現場にあれこれ細かく指示をする研究者を私は信頼しません。私はそんな方々より、小中高そして大学の現場で、フツーに頭がよく、フツーに愛情深く実践を重ねて、他人に指図することより他人に耳を傾けることに熱心な人を尊敬しています -- あ、そうか、だから私は自分をあまり好きになれないんだ(苦笑)。



■ 最後に自己宣伝

私は現場の知恵を言語化することを自らの使命の一つとして、このブログの上部にも常に掲載していますが、ご案内の通り、この度ひつじ書房さまから、『成長する英語教師をめざして -- 新人教師・学生時代に読んでおきたい教師の語り』という本を刊行させていただきました。





今回取り上げた道面和枝先生も、「第1部 「英語教育」の現実と可能性」「第2章 変化めまぐるしい中学生を教える」の「1年生とどう出会う?」の章を執筆しています(その他の執筆者については目次をご覧ください)。

多くの方にぜひ読んで欲しい本として編集しました。同時に、私としては、学術的な研究だけでなく、このような現場の声が出版になるという文化も醸成したく考えております。よかったらぜひお買い上げください。


⇒アマゾンへ


(注)
このブログ記事の内容をチェックしていただくために道面先生にメールをしたら、道面先生はFocus on Formについては、現在『「フォーカス・オン・フォーム」を取り入れた新しい英語教育』を読んで勉強中だそうです。








追記 (2011/09/21)

上記の記事の「フツー」という言葉は現在俗語での「フツー」(あるいは私が理解している限りでの俗語的意味)です。

現在俗語での「フツー」は、例えば男の子が自分の彼女のことを「フツーにかわいい」と肯定的に使ったりします(と私は理解しています -- 以下、この注釈は省略)。つまりこの場合の「フツー」とは、「順位などの意味で平均的な」(=標準偏差でいうなら50付近)といった意味というよりは、「肩肘はった意味でなく、素直な意味合いで」といった意味ではないでしょうか。

ですから自分の彼女を「フツーにかわいい」と言った場合、それは「モデル並みの綺麗さとか、演出上手な愛くるしさといった意味ではなく、素直に女の子としてかわいい」とか「自分の彼女だから、ことさらにかわいいとか、ことさらにブスだとか言うような意識過剰とは無縁に、本当にかわいいと思っている」とかいった肩の力が抜けた表現になっていると、この中高年は思っているのであります(←あ、注釈入った)。

というわけで上記の文章は、そういった素直で飾らない意味での褒め言葉として「フツー」という言葉を使っています。誇示するような頭の良さや、思い入れ過剰の愛情深さではない、「フツーに頭が良く」「フツーに愛情深い」というのは凄いことだと私は思ってます。


と書いたけど、この俗語理解は妥当なのかなぁ・・・若い方で俗語に詳しい方、よかったらご教示ください。


追追記

と、書いていたらTwitterで「おー!GoogleAppsのスプレッドシート、横セルの結合しかできなかったのが縦セルの結合もできるようになってる。この進化は地味に嬉しい!!」という文章が流れてきましたが、この「地味に」という表現も「フツーに」と似たものではないでしょうか(←と、若者に迎合しているわけではないのだけれど、中高年になっても若者言葉に興味をもっているオジサンの痛々しさwww)


追追追記 (2011/09/24)

その後、Twitterで「フツーに」の意味として、「『周囲からは低く見積もられてたけどそれほど低くはなく意外と』という意味」、さらには「意外じゃない状況でも『聞き手にor一般的に低く見積もられてる』という仮定をこしらえて、それより僅かに上だと言う感じ」ではないかという語義の教示がありました。ご教示に感謝。

2011年9月15日木曜日

言語コミュニケーション力論と英語授業(2011年度版)




・この記事について:学部三年生用の授業「「言語コミュニケーション力論と英語授業」のためのファイル・リンク集を公開します。
今年度(2011年度)は、昨年度と比較すると、(1)ウィトゲンシュタインの講義を後半にもっていった、(2)Genre analysis、Lakoff、Batesonについての講義を加える予定、という二点で異なります。(1)はウィトゲンシュタインの理解は講義の最初の方では難しいのではないかと考えたからであり、(2)は理論的理解を広げ深めるためです。
なおこの(2)の追加により、授業実践ビデオ視聴の機会がなくなりましたが、実践観察はその他の授業でも多く行われていますので、この授業では理論に徹します。


・凡例:記事・論文・書籍の名前の前に付けられた■、▲、★の記号はそれぞれ次のような意味を持っています。

■ 授業の前にきちんと読んで、そのまとめや感想などをWebCTシステムに書いておくべきもの(四角ですから「きちんと読め」と覚えて下さい)。

▲ 授業の前に参考程度に読んでおくべきもの(三角ですから、四角ほど「四角四面に読む必要はない」と覚えて下さい)。

★ S(秀)判定のための課題例(星印ですから「輝くSを取るためのもの」)と覚えて下さい。

参考:自主性を開拓するために ―書評かプロジェクトに挑戦してみてください―
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/blog-post_08.html


・ダウンロード資料について:ダウンロードする資料で、引用が多いものは、公開すると著作権法にふれますから、授業を受けた人にだけパスワードを教えます。パスワードは授業の受講者以外には教えないでください。(えっ、パスワードを忘れた?あなたは先週どこにいましたか?--大文字小文字に注意して!)。なお、著作権法にふれるおそれのないダウンロード資料にはパスワードはかけていません。

・授業の予習と復習:(a)予習として、この記事に指示された文献を読み、そこで考えたことや感じたことをWebCTシステムに書きこむ。(b)授業中は講義を聞いてできるだけ討論をする。(c)復習として、授業後に考えたことやWebCTシステムに書きこむ。WebCTシステムにはこちらが書き込む欄を作りますので、間違えないように書きこんで下さい。

※たくさん読んで、考えて、書くことは大変ですが、それこそが勉強です。大学時代にしっかり勉強して下さい!

講義前半の内容に関する参考図書(図書室にあり)
『第二言語コミュニケーション力に関する理論的考察』



授業のイントロダクション

■言語コミュニケーション力論の構想」


■授業で配布する資料を読んで下さい(WebCTシステムには掲載)

■2009年度の学生さんのレポートから
言語コミュニケーション力論とCritical Applied Linguisticsについて

■2010年度の学生さんのレポートから
英語授業を具体的に分析し、自省する
英語教師であるということはどういうことか




第一回:チョムスキー

PDFファイルのダウンロードはここ(パスワード必要)
■「文法をカラダで覚える」とは何か
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/blog-post_4664.html
参考文献
★Chomsky, N. 1965. Aspects of the theory of syntax. Cambridge, Massachusetts: The MIT Press (第一章のセクション1,2,8のみ)
★Marc D. Hauser, Noam Chomsky and W. Tecumseh Fitch
The Faculty of Language: What Is It, Who Has It, and How Did It Evolve?http://www.sciencemag.org/content/298/5598/1569.short
パスワード入力によるダウンロード
★レイ・ジャッケンドフ(2004)『心のパターン』岩波書店
★レイ・ジャッケンドフ(2006)『言語の基盤―脳・意味・文法・進化』岩波書店



第二回:ハイムズ、カナルとスウェイン

PDFファイルのダウンロードはここ(パスワード必要)
参考文献
★Hymes, D. 1972. On Communicative Competence. In J. Pride and J. Holmes (eds.), Sociolinguistics: Selected readings (pp. 269-93). Harmondsworth: Penguin.
★Canale, M. and Swain. M. 1980. "Theoretical bases of communicative approaches to second language teaching and testing." Applied Linguistics, 1 (1): 1-47.(セクション1と3のみ)
★Canale, M. 1983. From communicative competence to communicative language pedagogy. In J. C. Richards and R. W. Schmidt (eds.), Language and Communication (pp. 2-27).  London: Longman.



第三回:ウィドウソンとバックマン
■バックマンとパーマーの2010年に関する記事は
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/11/bachman-and-palmer-2010-describing.html
参考文献
★Widdowson, H. G. 1983. Learning purpose and language use. Oxford: Oxford University Press.(第1章のみ)
★Bachman, L. F. 1990. Fundamental considerations in language testing. Oxford: Oxford University Press.(第4章のみ)
★Bachman, L. F. and Palmer, A. S. 1996. Language testing in practice. Oxford: Oxford University Press.(第4章のみ)
★Bachman, L.f. and Palmer, A.S. 2010. Language Assessment in Practice. Oxford: Oxford University Press. (第3章のみ)



第四回:デイヴィドソン

http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/essay01.htmlの「コミュニケーションという革新」と「コミュニケーションの極から考える」という記事を読んで下さい。
■続いて次の二つの論文(草稿)を読んで下さい。
■ブログ記事「二項対立の間でデイヴィドソンを考える」も読んでください。

▲そしてこのファイル(学位論文の一部)(パスワード必要)を参考に読んで下さい。

参考文献(Donald Davidsonが書いた論文)
★1973, ‘Radical Interpretation’, Dialectica, 27, reprinted in Davidson, 2001b.
★1986, ‘A Nice Derangement of Epitaphs’, in LePore (ed.), 1986, reprinted in Davidson, 2005a.
★2001b, Inquiries into Truth and Interpretation, Oxford: Clarendon Press, 2nd edn.
★2005a, Truth, Language and History: Philosophical Essays, with Introduction by Marcia Cavell, Oxford: Clarendon Press.



第五回:内田樹、片山洋次郎

以下を読んでください。
■内田樹関係資料のダウンロードはここ(パスワード必要)
■片山洋次郎関係資料のダウンロードはここ(パスワード必要)

▲「言語使用の倫理?」
▲正義が「呪い」に転ずるとき ―あるいはネット上での発言についての注意―
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_30.html
▲内田樹『街場のメディア論』光文社
▲近藤真(2010)『中学生のことばの授業』太郎次郎社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2010_20.html
▲介護、武術、そして教育
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2012/01/blog-post_14.html

参考文献
▲内田樹・名越康文 (2005) 『14歳の子を持つ親たちへ』新潮新書
★内田樹(2004)『死と身体 コミュニケーションの磁場』医学書院
★内田樹(2004)『他者と死者 ラカンによるレヴィナス』海鳥社
▲内田樹・三砂ちづる(2006)『身体知』バジリコ
▲内田樹『先生はえらい』(2005)ちくまプリマー新書
▲片山洋次郎 (1989/2006) 『整体から見る気と身体』ちくま文庫
▲片山洋次郎 (1994/2007) 『整体。共鳴から始まる』ちくま文庫
▲片山洋次郎 (2001) 『整体 楽になる技術』ちくま新書
▲片山洋次郎 (2007) 『身体にきく』文藝春秋



第六回:異文化間コミュニケーションとしての翻訳

■伊藤和夫『予備校の英語』研究社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/1997.html
■文法・機能構造に関する日英語比較のための基礎的ノート ―「は」の文法的・機能的転移を中心に
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/blog-post_29.html
■純粋な「英語教育」って何のこと? 複合的な言語能力観
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/blog-post_7354.html
■翻訳教育の部分的導入について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/blog-post_26.html
■水村美苗『日本語が亡びるとき ―英語の世紀の中で』筑摩書房
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2008_16.html
■藤本一勇『外国語学』岩波書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2009_18.html
■イ・ヨンスク『「国語」という思想』岩波書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/1996.html
■イ・ヨンスク『「ことば」という幻影』明石書店
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2009.html
■橋本治『言文一致体の誕生』朝日新聞出版
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2010.html
■安田敏郎『「国語」の近代史』中公新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/2006.html
■オメの考えなんざどうでもいいから、英文が意味していることをきっちり表現してくれ
■「授業は英語で行なうことを基本とする」という「正論」が暴走し、国民の切り捨てを正当化するかもしれないという悲観について
■Vivian Cookの「多言語能力」(multi-competence)は日本の英語教育界にとっての重要概念である
■Some excerpts from the Website "multi-competence" by Vivian Cook
■木村敏(2010)『精神医学から臨床哲学へ』ミネルヴァ書房
■山岡洋一さん追悼シンポジウム報告、および「翻訳」「英文和訳」「英文解釈」の区別

▲日本語の危機とウェブ進化/水村美苗+梅田望夫
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/tachiyomi/200901_talk.html
▲After Babel
▲ジェレミー・マンディ『翻訳学入門』
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2009.html
▲山岡洋一先生の翻訳論
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/blog-post_9410.html
▲山口仲美『日本語の歴史』岩波新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2006.html
▲福島直恭『書記言語としての「日本語」の誕生』笠間書院
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/2008.html
▲Googleが変える検索文化と翻訳文化
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/google.html

▲参考スライド
ポスト近代日本の英語教育―両方向の「翻訳」と英語の「知識言語」化について
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/08/blog-post_20.html



第七回:アレント

パワーポイントスライドのダウンロードはここ(このファイルはパスワード不要です)
■「人間らしい生活--英語学習の使用と喜び」
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/10/blog-post_31.html
および
▲アレント哲学の枠組みの中での「芸術」の位置づけ:このエクセルファイルの概念図(パスワード不要)。
関連して、バトラーに関する次の二つの記事も読んで下さい。
■ジュディス・バトラー著、佐藤嘉幸・清水知子訳(2008)『自分自身を説明すること』月曜社
■ジュディス・バトラー著、竹村和子訳(2004)『触発する言葉』岩波書店
■「現代社会における英語教育の人間形成について―社会哲学的考察」を読んでください。
ついでに
▲「当事者が語るということ」もどうぞ
▲図解 アレント哲学のあらまし (上記のエクセルファイルの概念図)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/03/blog-post.html
▲E・ヤング=ブルエール著、矢原久美子訳 (2008) 『なぜアーレントが重要なのか』みすず書房
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/e-2008.html
▲人間の条件としての複数性
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/04/blog-post_8473.html
▲この世の中にとどまり、複数形で考える
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/03/blog-post_24.html
▲「政治」とは何であり、何でないのか
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/04/blog-post_11.html
▲仲正昌樹 (2009) 『今こそアーレントを読み直す』 (講談社現代新書)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/2009.html
▲アレントによる根源的な「個人心理学」批判
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/03/blog-post.html
▲世界を心に閉じこめる近代人
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/06/blog-post_1835.html
▲欠陥商品としての「考える」こと
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/05/blog-post_16.html
▲西洋哲学の寵児の政治的判断
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2008/04/blog-post_10.html
▲人間、ハンナ・アレント
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/01/blog-post_12.html


第八回: 言語コミュニケーション力の三次元的理解

■まずこのファイルをダウンロードしてください(パスワードが必要です)
■次にhttp://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/ThreeDimentional.htmlの論文を読んで下さい。
▲NHKプレキソ英語7月号テキスト掲載記事
▲中学三年生への講演で使ったパワーポイントスライドのダウンロードはこちらから(パスワードは不要です)
「補遺」もダウンロードしてください(パスワードは不要です)
▲「言語コミュニケーション力論の構想」も参照してください。





第九回:言語獲得における「意識」

■「意識の神経科学と言語のメディア論に基づく教師ナラティブに関する原理的考察」(HTML版)
■意識の再編成と原理の体得
■"I if become soccer player is play hard" あるいはS V Plusについて

▲集中的入出力訓練の理論と実際
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/inservice.html#020923
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/inservice.html#021223の記事を読んで下さい。
▲インタビュー研究における技能と言語の関係について

▲参考:尹雄大(ユン・ウンデ)著『FLOW──韓氏意拳の哲学』冬弓舎
▲池谷裕二 (2009) 『単純な脳、複雑な「私」』朝日出版社
▲On Consciousness

参考文献
★ジュリアン・ジェインズ(2005)『神々の沈黙―意識の誕生と文明の興亡』紀伊国屋書店
★ウォルター・オング(1991)『声の文化と文字の文化』藤原書店
★ジェラルド・エーデルマン(2006)『脳は空より広いか―「私」という現象を考える』草思社




第十回:ルーマン

■「言語教師志望者による自己観察・記述の二次的観察・記述」(概要)
■言語教師志望者による自己観察・記述の二次的観察・記述 (草稿:HTML版)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2012/01/html.html

▲日本語解説としてhttp://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/Luhmann.htmlを読んで下さい。
▲この「社会的展開」の観点から私がやっている一つの試みとしての「理系に学ぼう」の連載は
▲ルーマンの「システム」に関する分類図
ここからダウンロード(パスワードは不要です)。
▲なぜ書くことが人の知性を発展させるのか
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/blog-post_14.html
▲ルーマンのメディア論から考える日本の英語教育
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/05/blog-post_184.html
▲ルーマン『社会の社会 1』法政大学出版局
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/n-2009-1.html
▲ルーマン『社会の社会 2』法政大学出版局
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/06/n-2009-2.html
▲ルーマンによる「観察」「記述」「主体」の概念
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/08/blog-post_14.html
▲ルーマン『社会理論入門 ニクラス・ルーマン講義録2』新泉社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/09/20092.html
▲メディア論と社会分化論から考える言語コミュニケーションの多元性と複合性

参考文献
★長岡克行(2006)『ルーマン/社会の理論の革命』勁草書房
★Hans-Georg Moeller (2006) Luhmann Explained: From Souls to Systems Open Court Pub Co




第十一回 ウィトゲンシュタイン

PDFファイルをダウンロード(パスワード必要)
■ウィトゲンシュタインに関するまとめのスライド
■「四技能」について、下手にでなく、ウィトゲンシュタイン的に丁寧に考えてみると・・・
■ウィトゲンシュタイン『哲学的探究』の1-88節-- 特に『論考』との関連から
■野矢茂樹 (2006) 『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』 (ちくま学芸文庫)
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2012/01/2006.html
■鬼界彰夫(2003)『ウィトゲンシュタインはこう考えた-哲学的思考の全軌跡1912~1951』講談社現代新書
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2010/10/2003-1912-1951.html
▲ウィトゲンシュタイン著、鬼界彰夫訳(2005)『ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記』講談社
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2009/09/2005.html
▲ジョン・M・ヒートン著、土平紀子訳『ウィトゲンシュタインと精神分析』(岩波書店、1500円) (2005/8/3) 
http://ha2.seikyou.ne.jp/home/yanase/review2004-5.html#050803

参考文献
★永井均(1995)『ウィトゲンシュタイン入門』ちくま新書
★鬼界彰夫(2003)『ウィトゲンシュタインはこう考えた-哲学的思考の全軌跡1912~1951 (講談社現代新書)』講談社現代新書
★飯田隆(2005)『ウィトゲンシュタイン』講談社



第十二回 学習文法論

■研究社原稿(WebCTシステムでのみ閲覧可能にします)
■2011.9.10学習英文法シンポジウム当日用の配布資料と投影資料
http://yanaseyosuke.blogspot.com/2011/09/910.html
▲A summary of Damasio’s “Self Comes to Mind”
http://yosukeyanase.blogspot.com/2011/09/summary-of-damasios-self-comes-to-mind.html
▲'Feeling' of language as a sign of autopoiesis
http://yosukeyanase.blogspot.com/2011/09/feeling-of-language-as-sign-of.html




第十三回 ジャンル分析

■(資料は後日追加します)

参考文献
★Swales, J. (1990)Genre Analysis: English in Academic and Research Settings Cambridge University Press.
★Swales, J. (2004)Research Genres: Explorations and Applications




第十四回 レイコフ

■(資料は後日追加します)

参考文献
★ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン(1986)『レトリックと人生』大修館書店、もしくはこの原著
★ジョージ・レイコフ(1993)『認知意味論―言語から見た人間の心』紀伊国屋書店、もしくはこの原著
★ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン(2004)『肉中の哲学―肉体を具有したマインドが西洋の思考に挑戦する』哲学書房、もしくはこの原著




第十五回 ベイトソン

■ (資料は後日追加します)

参考文献

★野村直樹(2008)『やさしいベイトソン―コミュニケーション理論を学ぼう!』金剛出版
★グレゴリー・ベイトソン(2000)『精神の生態学』新思索社、およびこの原著
★グレゴリー・ベイトソン(2006)『精神と自然―生きた世界の認識論』新思索社、およびこの原著




■追記: S(秀)判定について