2013年5月6日月曜日

初任者教師として働き始めた卒業生3人の声




今春から高校で初任者教師として働き始めた卒業生3人の声を聞くことができました。以下はその要点です(私は積極的に、後輩へのメッセージを言ってくれるようにお願いしました)。皆様のご参考になればと思い、ここに掲載します。


■ A君のコメント

・学生主催の行事(広大教英ならITCや春合宿)の運営には全力で取り組んでいて欲しい。教育現場にはさまざまな種類の仕事がある。行事運営の庶務、会計、リーダーシップ、フォロワーシップなどなどで培った力がないとさまざまな仕事に対応できず、肩身が狭くなるし、また残業が多くなり授業準備もできなくなる。机の上以外の勉強をちゃんとしておいてほしい。
・与えられた仕事は何でもやり、しかもそれを工夫してやる習慣をつけておいて欲しい。例えば私が最初に依頼された仕事は、生徒に配布するしおりを500枚折ることだった。これも手早く折れるかどうかがとても大切。だがそんなやり方のマニュアルなんてない。どんな仕事でも嬉々として創意工夫しながらすることが必要。
・PC、特にエクセルには習熟しておくこと。いきなり「これ、入力しておいて」と言われて、そこからエクセルのマニュアルを読む暇などない。
・いろんな本を読んでおいて、教養の幅を広げておいてほしい。教養がないと、多種多様な子どもと話ができないし、授業も薄っぺらになってしまう。
・新任教師の第一の仕事は、先輩同僚に受け入れてもらえることかもしれない。そのためには人間関係構築力が必須。「これやっといて」と言われる前に、気づき、席を立っておけるのが理想。また「叱られ上手」であることも大切。
・現在赴任している学校は非常にいい学校で、週2時間はメンター役の先生が自分の授業を見てコメントをしてくれるので、これがいい勉強になっている。ただ、報告書などは多く書かなければならないので、文章力は必要。大学時代に、文章を書く訓練をきちんと積んでおくべき。
・すべての仕事は生徒のためだし、生徒の顔は毎日変わるから、毎日が単調でなく楽しい。しかし現在は毎日夜10時まで残業して家に帰れば寝るだけの生活なので体力は必要(この点、自分は現在自宅から通勤できているので非常に助かっている)。



■ B君のコメント

・いきなり担任をもたされたが、自分が若いからか、生徒もよく近づいてきてくれて、今のところわりにいい状態でいる。
・幸運なことに、自分が好きなサッカーの部活顧問になることができたので、毎日グランドで生徒と汗を流している。毎日笑顔になれる。
・しかし学力差が激しく、自分が担任している高校2年生でも、アルファベットがきちんと書けない生徒から、国立大学を目指している生徒までいる。こういった状況では大学の正規の授業で習った教育方法だけでは対応できない。その点、達人セミナーや組田先生のセミナーなどで学んだことが非常に役立っている。授業に関しては、もっと自分の引き出しを増やしたい。大学時代には、いろいろな現職の先生の話を積極的に聞きに行って欲しい。



■ C君のコメント

・分掌が特別活動(総体担当)と庶務と副担任。部活では、希望してバスケット部の顧問になったが、後でもっとも練習日が多いことを知った。
・分掌等では、全体像が見えずどうすればいいのかわからず不安になることもあるが、授業に関しては、去年一年間は、自分なりに一生懸命授業準備をして授業をしていたので [C君は大学院修士課程2年目に非常勤講師をしていた] 、時間のないときでも去年のプリントや、指導経験から何とかなることがすでに多々あった。こうした経験の蓄積が大切なんだと今強く感じている。
・これまでに先輩方の話を聞いて、最初はボロボロになるものだと思っていたが、このような状況の中でも意外と楽しめている自分がいて驚いている。教師は本当に楽しい。授業の進め方等で、考えが合わず納得のいかない部分もあるが、郷に入っては郷に従えで、できる範囲だ最善を尽くそうと思っている。



三人とも元気そうで、教師生活を楽しんでいるのが何よりでした。学校現場で働く先輩の先生方、そして教育行政の関係者の皆様、どうぞ新人教師をよろしくお願いします。










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